プロローグと序章。
 
・アレグザンダー価値説の提示がある。「生命」「調和」「全体性」。よりよい建築物を作りたいという目的からの価値論。
 
・生命の強くしたり、弱くしたりする構造や配置があるという主張(p4)。生命の強弱、伸張を視点にする価値論、思想は牧口常三郎と共通していて驚きました。序章を読んだ段階で牧口とは時代が違うけれど、アレグザンダーが牧口常三郎の思想を知ったら、どのような反応をしたのだろうと「もし」を考えてしまいます。
 
・アレグザンダーと牧口の共通点をもう一つ見つけました。二人とも経験から出発して、自分の中にある概念を修正、創造し続けた人であることです。ヘルバルトやカントと同じです。アレグザンダーも牧口も経験的に自分の中にある概念、世界観に(アレグザンダーなら機械論的世界観)に矛盾するところがあったり、事実と違ったりすると認知することがあれば、デカルトなどの権威を鵜呑みにすることなく、ただ追従することなく批判的に継承して、概念や世界観を修正していくことができる人たちでした。