Twitterで見かけたスライドから引用。
「学力を伸ばせる教員と、非認知能力を伸ばせる教員は同じではない。」
非認知能力と学力に相関関係がないという統計から、この結論を導き出していたけど、論理の飛躍で誤り。効果のある仕事をしている限り、どちらの力も伸ばしている教員は、たくさん存在する。
具体的にはPAなど、非認知的能力を伸ばすことに効果のある手立てに加えて教科の効果的な授業をしている教師がいれば、どちらの力も伸ばしているというデータを得られるだろう。

 

非認知能力と学力に相関関係はないという話も、雑。

そもそも非認知能力というカテゴリーには、グリット、自己コントロール、楽観性、共感性、好奇心、レジリエンスなど、もっと他にもある。

全ての非認知能力と学力の関係を調べて、相関関係がないという結果が得られたなら、上記の考えも納得できるかもしれない。仮に非認知能力の一部と学力に相関がないという統計が得られたとしても、それだけでは、非認知能力と学力に相関はないとは言えない。

グリットには、粘り強さが含まれているが、粘り強さが全くない人がいると仮定しよう。そのような人が学力を伸ばしていけるだろうか。粘り強さが全くない人は、努力を続けることができない。そのような人は、学力を伸ばしてはいけないだろう。従って、粘り強さと学力には相関関係ではなくて、因果関係があると推論するのが妥当。

もし、グリットと学力に相関関係がないという統計が得られたならば、その実験そのものに欠陥があると推論することが妥当である考えられる。

「学力の付加価値と非認知能力の付加価値の間に相関はない」
→「学力を伸ばせる教員と、非認知能力を伸ばせる教員は同じではない。」
どうやったら、こんな推論ができるのだろう。