初めて天文学らしきものを作ったといわれるバビロニア人は
天体の運動に宇宙の秩序を見出して、
それを自分自身と結びつけた。
天上の星の運行の秩序と
心の秩序(道徳律)を結びつけた
有名な言葉がある。
われらがうちの道徳律とわれらが上の星の輝ける天空! カント!!!
小松雄一郎訳 『ベートーヴェン 音楽ノート』より
カント『実践理性批判』よりベートーヴェンの書き抜き
バビロニア文明の説明の中から書き抜き
「天体現象の秩序に目を向けたときも、
人類はその地上の要求と関心を
忘れることができなかった。
人間がまず、その眼を天にむけたとしても、
それはたんに知的な好奇心を
満足させるためではなかった。
人間が真に天に求めたものは、
彼自身の反映であり、
彼の人間的宇宙の秩序であった。
彼は自己の世界が、
無数の見うる絆および見えざる絆によって、
宇宙の一般的な秩序に結ばれていることを感じた。
―――そして彼は
この神秘的な連結を見通そうと試みたのである。」
カッシーラー『人間』より
神とか宇宙全体の秩序に関係しようとする人は祈る。
祈るのは神や宇宙の秩序と合致して、本来の力を発揮するためだ。