読書 学問のすすめ

現代語訳 学問のすすめ (岩波現代文庫)

現代語訳 学問のすすめ (岩波現代文庫)

現代語訳ということで最初のほうに書いてる福沢諭吉の精神と外れているかもしれないですが、「正しい天理、自然の人情にかなった議論ならば、次第によっては、命がけでも政府と争わねばならぬ。これこそ国民たるものの本分である。」と書いてるような書物を小学校の教科書にしていた時代があったなんて…。いい時代があったのだと思った。学問の精神が伝わった状態で学んでいるのと、知らないで学んでいるのではたぶん天と地の差があると思う。


肝心なことを平易な言葉でさらりと語り伝えられる本書はやはり名著なんだと思います。

牧口先生の本もそうですが
いい本っていうのはぱあっと明るくなるものがある、頭の中がクリアになって。

福沢諭吉夏目漱石、ショーペンハウワー、トルストイなど教えてくれるけれど
教育の人類普遍の目的や原則はとてもシンプル。そこは迷わないですむ。問題はそこに至るプロセスや方法をどうするのかということ。そのプロセスや方法の原則も牧口常三郎のおかげで明確です。そこだけはまったくぶれない。その先で悩むことになる。



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【設問】下の「新教育学建設のスローガン」(A)と「創価教育六大指標」(B)とを比較熟考し、各自ひとりひとりの「真理認識」「価値創造」の次元(オーダー)で何を為すべきかの課題について答えなさい。
A『創価教育学体系・第一巻』第一編 教育学組織論/第二章 教育学の価値的考察/(全集五巻、二十七項)
「…因って余は余の教育学者に否、全教育家に向つて、新教育学建設のスローガンを提唱したい。
経験より出発せよ/価値を目標とせよ/経済を原理とせよ。
学習力に於て、教授力に於て、時間に於て、費用に於て、言語に於て、音声に於て、常に経済原理を旨とし、文化価値を目標として進め。」


B『創価教育学体系・第三巻』第四編教育学改造論/扉裏全ページ(全集第六巻、十二項)
自然の個性
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一 感情の理性化
二 自然の価値化
三 個人の社会化
四 依人の依法化
五 他律の自律化
六 放縦の統一化
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文化の人格
============================================== 『牧口常三郎の思想』斎藤正二






福沢諭吉の言っていることは、今でも全然通用する…。すごいなあ。でも悲しいことでもあるかもしれない。


「昔の政府は民衆の肉体を征服し、今の政府は民衆の精神を支配している。」65項  途中までしか読んでいないけれどフーコーの『監獄の誕生』と重なるかも。西洋も日本も同じ道を歩んでいるのかな。