牧口 アトウェル

牧口アトウェル要点
http://libir.soka.ac.jp/dspace/bitstream/10911/843/1/SK000003-15.pdf


1896年 発表 の 「観念類化作用」は、牧 口が25歳 の ときに書 いた最初 の公刊論 文です。「観念類化」
というのはヘルバルト教授学の用語で、観念を類化(=同 化)す る、すなわち既知の観念をもと に未知の観念を理解することを指します。『改正教授術』にある 「已知ヨリ未知二進メ」「近ヨリ
遠二及べ」という方針とも重なるものです。 同論文で牧口は、知識をどれほど子どもたちに与えても、類化がなされなければ定着しないの
で無意 味である、 と述べ ています。

「吾人 の観念 は、 自余の観 念群 と関係 し同化せ られ て始めて把住せ られ、永久の心意の所有 となるもの
な り。 然 らば即ち、類化 作用は吾人の心意を成 熟せ しむるの最要な る精神 的働 作な りと謂ふべ く、従 て 之を遂 げ しむるは、教育作 業中の最 も緊要 なるもの と断言す るを得べ し」

作文における類化作用
したがって、作文教授においても、いかに 「類化」を誘導するかが肝要となります。論文 「単
級教授の研究」の後半で牧口は、そのための工夫を提案しています。 まず、文法の順序、題材の選択 に留意す ることです。
「蓋 し作文 は、既 に有す る思想 を文章的 に修述す るにあ り、正 しく文章的 に修述せ ん とせ ば、文法 上の 規則 に則 らざるべか らず。 〔...〕
其の順序 も、数学の如 き論理上の順序 あるに非ず。唯互 に類似 した るもの を前後相連絡 し、可成現在 の ものは次回の予備な り、次回には前回の智識 を活用 し、以て一類例 を決了 した る後、他 の類例 によ り、 以て相連絡 した る観念 と関係 を授 くれば足 る。
日用文 に於て も亦然 り。社会万般 に処す る凡ての 出来事 を教材 に択 ばんことは能 はず。故 に教科 の進 歩に鑑みて、児童の出来得べき程度に止むべきな り」(代)
つまり、正しい文章を書くには文法上の規則が不可欠であるため、文法的に 「易しいものから
難しいものへ」進まなければなりません。題材の"難 易度"も 考慮する必要があります。子ども たちにとって 「身近なものから遠くのものへ」進まなければなりません。
次 に、題材が もつ複数の要素に留意す ることです。
「児童は教授を始むるに先ち、既に自然に見聞、見は交外によりて幾多の観念を す 然れども是 く、
(m同 (12)同 (且3)同
一193一
牧 口常三郎の教授法
偶然 に堆積集 合 して、錯擾せ る群に過 ぎず。而 して仮令一時意識外に忘却 した るもの と錐 も、些少 の補 助 問答 によ りて容 易に喚起せ しむるを得。是等 のものを記述せ しむ る場合 には、分解的 の作用 による。
尚、之を前例の文題(鰹 節)に 就て観るに、之を教授するに当りて、教師は、 一、之は何なりや、
二、鰹 節は如何に して造 りたるものな りや 、
三、味は如何 、何 に用ふ るか、
四、鰹節 の中、何 と云ふ種類 が最 も上 品な りや 、 吾国にて最 も上 品のものは何れ に産す ると思ふか
等の問答をな さば、容易に鰹節 の内容 に就ての観念 は児童 に得せ しむ るを得べ し。是多 く明確な らざる も、既に有せる所なり」ω
子どもたちはすでに 「見聞」や 「交際」によって多くの観念をもっていますが、それらは雑然 とした集合にすぎず、整理が必要です。たとえば 「鰹節」を題材に、教師が 「これは何か」「どの よ うに して作 られ たのか」「ど うい う味か、何に使 うのか」 「何 とい う種類 が最 も上等 か、それ は どこで生産されるのか」等の質問をします。そうすれば子どもたちは手持ちの観念を分解し、総
合することで、以前よりも明確な 「鰹節」の観念を手にすることができるのです。

牧口常三郎 - 日記
「類化」と「文型応用主義」の考え方はアナロジーと合致する。

牧口の立場は、子どもの自己発達力に基盤をおくものであったが、教師の「指導」責任を不可欠なものとする点において、情動的な「児童中心主義」と明確に一線を画していた。

p346







牧口の「文型応用主義」とは、次のように要約されている。
一、模範原文の解剖によって内容をなす思想の排列、その現れた文章系統若くは文章模型の直観。……(読方教授に於ける比較総合段)
二、応用範分の提出、及び原文と比較読解に依る文系概念の抽出並に応用方面の探究奨励及応用力活動の鼓吹。……(読方教授の応用段にして綴り方教授の発足点即ち其の第一次的取扱)
三、応用手段を指導し共作に依る文章模型応用能力の増進、即ち文章構成の会得。……(綴方教授の第二次的取扱)
四、児童の自由制作の奨励による文型応用力の完結。……(綴¥方教授の第三次的取扱にして、読方教授の応用段の真の完了)
 すわわち、「文章の全体を構成する思想の系統的排列並に其の連結手段等」を意味する「文型」を読方科において提示し、ついでその「文型」を応用した範文を示して原文との比較を通じて「文型」の概念を明らかにし、その「文型」を適用して児童と別の内容の文章を共作し、これを通じて児童に作文への自信を与え、自由作文の目標に達する、という過程をとる。応用範分を提示するという教師からの指導過程を設けることに、この「主義」の特色があり、この点で自由作文即無干渉・無指導という「児童中心」の綴り方論と真向から対立するものであった。直観ー比較ー応用というこの過程を牧口は「科学的」と名づけ、どんな子どもにも綴り方の面白さとそれへの自信を与える手続きであると主張した。このような「科学的」指導の重視は、牧口の教授論を通じる基底的な特色であったといってよい。牧口はこの案の「価値判定の標準は教育経済」にあるとし、「教育目的の概念中に経済といふ一条項を加へなければならぬ」と論じていた。


「直観ー比較ー応用」まさにこの部分はアナロジー

http://askoma.blog.jp/archives/33292934.html

http://askoma.blog.jp/archives/28975653.html
特にここが大事なところ。
同じジャンルの作品と作品を比べることで、そのジャンルの構造や特徴を抽出する。この構造や特徴を自分の作文や作品を書く時に応用すること。アナロジー


特に最初の読み比べて評価基準を作る段階、
ナンシーアトウェルよりも丁寧にやる学校の先生をこの地球上で誰も知らない。



アナロジー - 日記





Dedre Gentner


類似と思考 (認知科学モノグラフ)

類似と思考 (認知科学モノグラフ)

第1章 なぜ類推か;第2章 類推とは;第3章 ベースドメインの検索:必要な知識を
いかに引き出すか;第4章 写像:いかにして新たな知識を生み出すか;第5章 類推の
準抽象化理論;第6章 人間の類推における準抽象化;第7章 準抽象化の射程

類似から見た心 (認知科学の探究)

類似から見た心 (認知科学の探究)

第1章 類似のダイナミクス;第2章 さまざまな認知活動にみられる刺激‐処理間適合
性―なぜ男性はネクタイに似ているのか;第3章 類似性における構造整列とそのカテゴ
リー構造への影響;第4章 帰納推論と類似性;第5章 アナロジーと想起;第6章 概
念発達と言語発達における類似性の役割;第7章 特徴の創造と表象の変化について;第
8章 Metacatプロジェクト―アナロジー構成の自己参照モデル




アナロジーの本は、日本語の本を優先して読んで、第一人者と呼ばれる人の論文も、読んでおきたい。今回は比較的テーマが前よりも狭いので、調べる文献が前よりもコンパクトに限られるのでよかった。


類語辞典にパロディのところにアナロジーがやはりあった。
学習におけるパロディの有効性もアナロジーの研究から説明できないかな。
学習におけるアナロジーについて理解を深める中で、
今はできないけれど、たぶん説明できるようになると思う。


Making Believe on Paper: Fiction Writing With Young Children

Making Believe on Paper: Fiction Writing With Young Children


Comparison processes in education
Jee, B. D., Uttal, D. H., Gentner, D., Manduca, C., Shipley, T., Sageman, B., Ormand, C. J., & Tikoff, B. (2010). Analogical thinking in geoscience education. Journal of Geoscience Education, 58 (1), 2-13.
Gentner, D., Levine, S. C., Dhillon, S., Ping, R., Bradley, C., Isaia, A., & Honke, G. (in press). Rapid learning in a children's museum via analogical comparison. To appear in Cognitive Science.
http://groups.psych.northwestern.edu/gentner/papers/Jee%20et%20al_2010_Analogical%20Thinking%20in%20Geoscience%20Education.pdf

http://groups.psych.northwestern.edu/gentner/papers/gentnerLevinePingIsaiaDhillonBradley&Honkey_inPress.3b.pdf


Dedre Gentnerの教育におけるアナロジー研究の論文を二つ発見。
この二つの論文だけに絞ろう。読むべき論文を絞れた。


フィクション 物語 書く - 日記
プロップのカードもアナロジーの文脈で伝えられると思う。
パロディ作文からのプロップのカード。
プロップのカードを使ったアナロジーの学習に3年前に繋げていた。これも実践事例として書ける。読書感想文もアナロジーを使って指導している。これも事例として書ける。新聞作りもこの文脈で書ける。年表作りもこの文脈で説明できる。


事例
・詩
・物語文
・説明文
・読書感想文
・ブックレビュー
・新聞

そんないらないかな。いやこんなもんか。
5つくらい事例があれば十分かな。コンパクトに行こう。
説明は必要なだけにすること。
その他にもブックレット、年表など、書くことのすべてのジャンルで応用できると思う。


文けい応用

http://libir.soka.ac.jp/dspace/bitstream/10911/3597/1/p.50-70_通信教育部論集15.pdf


参考文献
Nancie Atwell, Reading in the Middle: Workshop Essential, Heinemann, 2010
牧口常三郎牧口常三郎全集 第7巻 』 第三文明社 、1982年
斎藤正二『牧口常三郎の思想』第三文明社、2010
伊藤貴雄「牧口常三郎の教授法」『創価教育研究第3号』
Jee, B. D., Uttal, D. H., Gentner, D., Manduca, C., Shipley, T., Sageman, B., Ormand, C. J., & Tikoff, B. (2010). Analogical thinking in geoscience education. Journal of Geoscience Education, 58 (1), 2-13.
Gentner, D., Levine, S. C., Dhillon, S., Ping, R., Bradley, C., Isaia, A., & Honke, G. (in press). Rapid learning in a children's museum via analogical comparison. To appear in Cognitive Science.
Making Believe on Paper: Fiction Writing With Young Children