ここで現実に起きていることの個別化の意味をよく考えた方がいい(その現実の意味との対比で際立ってくることがある)。ただ個別化をすればいいということではないが、力能から考えると、いかに考え方ややり方によって、大人は子どもたちの力能を磨いていくチャンスを奪っているかことかと痛感する。
僕が11年間の仕事を振り返っても、それまでを振り返っても、こういう傾向に抵抗してきた人生でしたし、これからもそうだと思う。
私は練り上げというもの否定するものではないですが、日本の練り上げみたいな考えを単純に押し付ける、貧しい経験がいかに子どもたちの可能性を奪っているか。状況に応じてパタンを重ねていくデザインがいかに子どもたちの経験のために、力能を磨いていくために大事か伝えられるようにしていきたいです。
このタイミングでスピノザに再開できたことには、大きな意味があるのだと思う。
 
仮に小1がチョウに関心を持ち、卵を見つけ育てる。その過程で図鑑を読んで、実際の観察とリンクさせつつチョウの変態について学ぶ。ついでに昆虫の体の仕組みもわかっちゃう。
実際に軽井沢風越学園でおきはじめていること。
なのに、現行の制度では、小3で理科でチョウや昆虫について10時間学ばなくてはならない。
学びの個別化はつまり「もっと違うこと学ぼう!」「もっと深く学ぼう!」ということ。」岩瀬直樹(2020年7月)