二瓶先生の授業の追試 おおまかな流れ いろいろなふね

二瓶弘行の「説明文一日講座」―これ一冊で説明文の授業がわかる!授業で勝負する実践家たちへ (hito yume book)

二瓶弘行の「説明文一日講座」―これ一冊で説明文の授業がわかる!授業で勝負する実践家たちへ (hito yume book)

「この文章を細かくしていくと何になりますか?」
「文字が集まると何になるかな?」
「言葉が集まって文をつくる」
「文同士が集まって段落をつくる」
「段落が集まって一つの文章になります」


「説明文は、『はじめ』・『説明』・『おわり』という三つの大きな部屋からできています」
「今読んだこの文章を三つに分けてみましょう」
「『はじめの大部屋』に入るのは?」「『説明の大部屋』に入るのは?」「『終わりの大部屋』に入るのは?」


「分けた理由を考えるヒントとして、『はじめの大部屋』と『おわりの大部屋』『の性格を考えておきます。」


「『いろいろなふね』の『はじめの大部屋』は一段落でした。この段落の性格は、『はじめの大部屋』の三つの性格のうちにどれに当てはまる?」
終わりの大部屋についても聴く。ペア対話を多用する。


「『説明の大部屋』はいくつかの小部屋からできています。そして、その小部屋には、それぞれ『部屋の名前』がついています。この『いろいろなふね』の『説明の大部屋』がいくつの小部屋からできているか、そして、それぞれにどんな名前がつけばいいかを考えましょう。」


「部屋の名前を考えながら、小部屋に分けてみましょう、分けられたら、お隣とペアで意見を交換します。さあ、どうぞ。」


「そろそろいいかな、では小部屋はいくつに分かれていますか?」


「では一つ目の小部屋どこからどこまでかな?」


「『説明の大部屋』を四つの小部屋に分けることができました。部屋には必ず名前があります。今度は小部屋の名前を考えてみましょう。
 みんなが家族で旅行するとき、日本旅館に泊まったことがあるでしょう。ホテルの部屋は二〇三号室というように数字で部屋を呼びます。けれども日本旅館は『朝顔』とか『富士山』とか、それぞれに名前がつけられています。その名前もバラバラではありません。『朝顔』の隣だったら『すみれ』や『たんぽぽ』のように、関連を考えて花の名前で統一しています。
 この日本旅館と同じように、小部屋に名前があります。その名前を自分でつけられたときに、はじめて小部屋になるのです。」

小部屋の名前を考える三つのポイントを指導する。


「小部屋1は何と言う名前にすればいいかな」


「みんなは、一つの言葉で名前をつけました。もう少し言葉をつけ加えて、名前を長くすることはできないかな? 名前の三つめのポイント『おわりの大部屋の内容を大切に』を頭において、もう一度考えてごらん」


「『おわりの大部屋』の言葉って何だろう」


「『いろいろなふねが、それぞれの役目にあうようにつくられています。』って書いてあるでしょ。『それぞれの役目』というところがポイントなんじゃないの?」

「みんな、どうかな?いま、いろんなグループの話の中に『それぞれの役目』『役目』という言葉に注目している人がたくさんいるよ。なんだか、役目という言葉が大切みたいだね。この『役目』がそれぞれの小部屋でどのように説明されているかを見直してみよう。何か気づいた人はいるかな?」


「船の役目となんだろう」


「客船の役目って何だろう」
「たくさんの人を運ぶ役目」
「そうだね。たくさんの人を運ぶ役目。ではそれに合うつくりって何?」

「客船は、たくさんの人を運ぶ役目のために、客室や食堂がある。」