イーガン 牧口常三郎

「わたしの観点は、教育に恩恵をもたらす地道な方法と、もたらさない不可能な方法の選択を、わたしたち自身がおこなう、ということである。わたしたちは、ずいぶん長い間不可能なことをおこなってきた。しかし、いまや転じて、地道につとめる時である。」『教育に心理学は役に立つか』イーガン


「経験より出発せよ。/価値を目標とせよ。/経済を原理とせよ。/学習に於て、時間に於て、費用に於て、言語に於て、音声に於て、常に経済原理を旨とし、文化価値を目標として進め。/天上を仰いで歩むよりは、地上を踏み占めて、一歩一歩に進め。」『牧口常三郎全集第五巻』牧口常三郎


両方とも地道にということだけど、意味がだいぶ違う。
牧口先生の「地上を踏み占めて、一歩一歩に進め。」というのは、「経済を原理とせよ」という言葉と表裏一体です。


例えば、ある工場では、10分間でネジを100個つくることができたが、ある工夫をすることによって、同じ時間で101個ネジを作れるようになった。

同じようなことが教育現場でも起きる。ある工夫を加えることで、今まで一時間かけないと達成できなかったことが半分くらいの時間で達成できるようになるとか。


僕は牧口先生の創価教育学をふわふわとした漠然としたものではなく、このように理解しています。


この点はものすごく重要だと思う。
時間や苦痛などのコストを節約できることによって、もっと他のことができるようになる。
経済を原理とせよというのは、子どもの学習にも、教えることにも適用されます。
教師にも時間が生まれることで、さらに工夫ができるようになります。


余暇がなければ学問の発展は決してありません。イノベーションも起きようがありません。